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- 2019/08/18
- 歯科コラム
- 歯並びが悪い原因と予防策
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お子さんの歯並びが悪いのは、自分たちの歯並びが悪いから仕方がない――
こんなふうに、歯並びは遺伝のせいだからとあきらめてしまっている親御さんが少なくありませんが、実は、歯並びは遺伝だけで決まるものではありません。遺伝ももちろん大きな要素ではありますが、歯並びの良し悪しに環境が大きく影響を与えているケースがあるのです。
口元は、笑顔になったときいちばんに目がいく場所。それだけ人目につきやすいだけに、歯並びの悪さが大きなコンプレックスになり、人前で笑顔になれなかったり、日常生活を思い切りたのしめないといった人も多数おられます。また、噛み合わせの悪さが原因で、健康上で何らかの問題をかかえるケースも否定できません。
お子さんの歯並びをよくするために、親御さんにもできる予防法があります。ここでは、歯並びの悪さが原因でおこる問題などをくわしく解説しながら、親御さんにできる予防法をくわしくお伝えします。お子さんには美しい歯並びを与えてあげるためにも、お子さんの健康を守るためにも、ぜひ参考にしてください。
歯並びが悪い状態とは
お子さんの歯並びが気になるけれど、矯正治療を受けさせないといけないレベルなのかどうかがわからない、悪い歯並びというものを知りたいという親御さんもいらっしゃることでしょう。
歯並びを考えるとき、噛み合わせが美しいとされるかたちがあり、矯正治療を行う場合は、このかたちを目指すことになります。
しかし、一人ひとりの歯の大きさや骨格はまったく異なるため、理想とすべきかたちにも個人差があるのが実際です。矯正治療の最終的な目的はお子さん一人ひとりにとってよりよいかたちの歯並び・噛み合わせに近づけることですが、まずは、現状がどのようになっているかをしっかり認識することが大切です。ここではまず、歯並びや噛み合わせが良い例・悪い例を解説していきましょう。
上下の前歯の間に適切な距離がある
上下の前歯の噛み合わせがよいとされる状態は、噛み合わせたときに、上の前歯が2mmから3mmほど下の前歯より前に出ているかたちです。その際、上の前歯が下の前歯の3分の1ほどを覆い隠しています。
上下の前歯の中心が合っている
前歯の中心(正中線)が上下で合っているかどうかも、歯並びが正しいかどうかをはかる大事な要素です。理想的な歯並びは、歯と歯の隙間がきれいに真っ直ぐになっていること。上下の前歯の中心が合っていない場合は、顎関節などに悪い影響を与える可能性があるため、注意が必要です。
犬歯より後ろの歯が上下で交互に噛み合っている
前歯の場合は、上下の歯の隙間が並行な状態にあるのが理想的な歯並びです。しかし、犬歯より後ろの歯の場合は、上下の歯が交互に並んでいることが望ましいとされています。隙間が空くことなく、互い違いに接している状態が正しい噛み合わせです。
歯並び・噛み合わせが悪い例
歯が互い違いになっている
前歯が互い違いになっていて、見た目がガタガタな状態で生えているケースです。これは、永久歯として生えてきた歯の大きさと顎骨の大きさがアンバランスで、歯の大きさに比して顎骨が小さすぎることが原因です。歯の生えるスペースがない中で、歯の生え変わりがあると、このような歯並びになってしまいます。顎が小さなお子さんは、互い違いの前歯になりやすいため、注意しておいてください。
前歯で下の歯をほとんど覆い隠してしまっている
下の前歯がほとんど見えなくなるまで、前歯が深く噛んでいるのも、悪い歯並びの例です。この歯並びのままでいると、下の前歯で上の前歯裏の歯肉を傷つけやすいうえに、出っ歯になる可能性も否定できません。
前歯が噛み合わず、隙間ができてしまう
奥歯はしっかり噛み合わせられるのに、前歯がうまく噛み合わず、隙間ができてしまうことがあります。この状態のままでは食べ物をうまく噛みきりにくく、発音するときにも空気がもれてしまうため、サ行を発音しづらいという問題が生じやすくなります。
上下の歯の噛み合わせが正常な状態の反対になっている(受け口)
下の歯や下顎が前に出てしまい、上下の歯の噛み合わせの位置が、正常な状態の反対になってしまっている状態です。受け口になる原因が、歯の問題にあるケースと、顎の問題にあるケースとがあります。
上顎の前歯が必要以上に前に出ている(出っ歯)
上顎の前歯が通常より前に出ていたり、下顎が通常よりも後ろに下がっているケースで、一般的には「出っ歯」と呼ばれます。出っ歯になる原因は、顎が十分に成長していないことにあるとされていて、歯の大きさや顎骨の大きさ、位置といった遺伝的要因がある可能性もあります。また、下顎の骨が小さい場合は、上顎が目立ってしまい、出っ歯に見えることもあります。
横から見ると口元が前に突き出ている
横から口元を見ると、前に突き出ている状態も、歯並びが悪い例のひとつです。前のほうに歯が出てしまっているため、口をしっかり閉じることが難しいケースも少なくありません。
歯と歯の間に隙間ができている(すきっ歯)
歯と歯の間に隙間ができている、いわゆる「すきっ歯」の状態です。歯と歯の間から空気がもれてしまいがちなため、サ行やタ行を発音するときに何らかの問題が起こる可能性も否定できません。
特定の部位で上下の歯の噛み合わせが逆になっている
特定の歯の噛み合わせが正常な場合とは逆になってしまっている状態で、上の歯が内側、下の歯が外側になっています。前後だけでなく、左右にもずれてしまうため、顎や顔がゆがんだり曲がって見えてしまいがちです。
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