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  • 2019/08/18
  • 歯科コラム
歯並びの悪い人と予防策

歯並びが悪い場合に起こりがちな問題あれこれ

歯並びが悪いときに、その見た目がコンプレックスになってなかなか笑顔になれないといった精神的な問題ばかりがクローズアップされがちですが、実は、歯並びが原因で身体的な問題が起こるケースも少なくありません。ここでは、歯並びが原因で引き起こされがち問題の数々について、わかりやすく解説します。

虫歯や歯周病を発症しやすい

歯並びが悪い状態のままでいると、どれだけ丁寧にブラッシングしたとしても、磨き残しが多くなりがちです。歯と歯が互い違いになっている部分などの汚れや歯垢が取りにくくなり、虫歯になりがちです。

さらに、細菌も増殖しやすくなり、歯周病になる可能性も高まります。歯並びが悪い人は特に、ブラッシングをより丁寧にするように心がけましょう。

顎のトラブルを引き起こしやすい

噛み合わせがずれると、顎の動きも正常なものではなくなります。これによって、顎に何らかの痛みを感じたり、顎の関節部分に雑音が起こったりといった問題が生じがちです。

発音しづらくなる

言葉を発する際は、舌が重要な働きをします。ところが、舌が動くためには歯並びが正しい状態である必要があり、歯と歯との間に隙間があったり、歯が曲がって生えてしまったりしていると言葉を発するのが難しくなってしまいます。サ行やタ行がうまく発音できない場合は、歯並びや噛み合わせに問題を抱えているケースが少なくありません。

姿勢を正しく保てず、全身に不調があらわれやすい

噛み合わせが悪いことで、全身に歪みを生じることがあります。正しい姿勢を保ちにくくなり、肩こりが腰痛が起こるケースもあります。

精神的苦痛を感じやすい

歯並びや噛み合わせが悪いことで、口元にコンプレックスを抱える人が少なくありません。人目につきやすい口元を隠したいと、かたくなに笑顔にならなかったり、人前に出たがらないお子さんもいるでしょう。

教育レベルの低さを疑われがち

欧米においては、矯正治療は一般的なものです。矯正治療が当たり前のことになっているだけに、「歯並びの悪さ=教育レベルの低さ」として受け取られてしまいがちです。

 

顎の発達を促して予防する方法

乳歯から永久歯にきれいに生え変わるためには大きな永久歯が収まるスペースが必要で、そのスペースを確保するために欠かせないのが顎の成長です。顎がしっかり成長すれば、歯がまっすぐ生え、きれいな歯並びにつながるというわけです。

近ごろのお子さんは顎の成長が不十分なケースが多く、歯並びが悪くなりがちです。お子さんの顎骨の発達を促すためにも、顎骨の成長についての理解を深め、食生活を改善する必要があります。

年齢に応じた顎骨の成長段階を知ろう

2歳から6歳にかけて、乳歯が上下に生えそろいます。実は、乳歯が生えることで顎の成長が促され、顎のラインが整い、顔のかたちが決定づけられています。永久歯に生え変わるまでの一時的な段階とみなされがちな乳歯の時期こそ、顎の正常な発達に欠かせない要素なのです。

乳歯に促されて、4歳から5歳にかけて顎が大きく発達してきます。永久歯の生えるスペースをこの段階である程度用意したうえで、奥歯が生えてくる6歳ころにかけて顎が再び発達し、永久歯のためのスペースをさらに確保します。14歳ごろには永久歯が生え揃い、上顎の成長もそれにともなって止まりますが、下顎は身長の成長とともに発達し続けます。

よく噛まなければ食べられない食材を取り入れよう

上で説明したように、2歳から14歳にかけては、顎の骨が成長し続けます。この時期に、顎の成長を促すため、よく噛んで食事をすることが特に大切になります。お子さんの好むようなカレーやハンバーグ、スパゲティといった食事は、さほど噛まなくてもいい、やわらかい食事の代表格です。

こうした食事をとり続けていると、顎の発達を十分に促すことが難しくなってしまいます。きれいな歯並びにするためには、お子さんが好む食材だけでなく、よく噛まなければ食べられない食材などをあえてメニューに取り入れ、顎の発達を促してあげる必要があります。

 

歯並びを悪くする癖をなくして予防する方法

幼児期のさまざまな癖が、歯並びを悪くする可能性があります。ここでは、歯並びをゆがめる可能性のある悪癖をいくつか取り上げ、解説しています。お子さんに同じような癖がある場合は、なるべく早期に対策するようにしましょう。

指しゃぶり

指しゃぶりも、歯並びを乱れさせる要因のひとつですが、3歳までは指しゃぶりをおすすめしています。指しゃぶりをどの程度続けるかにもよりますが、あまり長く続けていると、前歯が前に出て出っ歯になったり、前歯に隙間ができたり、噛み合わせが左右にずれる可能性があります。歯にかなりの悪影響を及ぼすため、矯正治療が必要なほど歯並びが悪くなる可能性もあります。

噛み癖

おしゃぶりやタオル、爪などの噛み癖があるお子さんも、顎の成長や歯並びに何らかの問題を抱える可能性があります。噛み癖が原因で歯並びが悪くならないよう、4歳ごろまでにやめさせるようにしましょう。この際、理由をちゃんと説明し、お子さんが自ら噛み癖をやめるように促すのが、成功のポイントです。

口呼吸

鼻呼吸をするのが一般的ですが、中には、口呼吸をしている場合もあります。いつも口が開いているお子さんは、口呼吸をしている可能性がありますので、注意してみてください。口呼吸をしていると、口の中が乾燥しがちになり、菌が繁殖しやすくなることで、虫歯のリスクも高まります。乳歯の段階でひどい虫歯になり、抜糸してしまうと、永久歯の歯並びにまで影響を及ぼします。

また、口呼吸をすることで、顔の筋肉や骨格の発達に問題が生じることがあります。舌が上顎につかないため、上顎が十分に発達せずに出っ歯になったり、顎がなくて口元が出ている独特な顔つき(アデノイド顔貌)になったりします。

口呼吸を予防するためには、食事で噛む回数が増えるような食材を取り入れ、舌や口周りの筋肉がしっかりと鍛えられないと、口呼吸になりやすいといわれています。

舌を突き出す癖

食べ物を飲み込むときや、ぼーっとしているときに舌を突き出す癖がある人は、舌の位置が口の中くらいにあったり、前のほうにあったりするため、舌で歯を押してしまいがちです。これによって、歯並びが悪化しかねません。

頬づえ

気がつくと頬づえしてしまっているという人は、噛み合わせが深くなりがちです。悪化すると、噛み合わせがずれたり、顎の骨がゆがんでしまったりします。お子さんの場合、5歳から6歳にかけて頬づえの癖が出てきがちですので、注意しておきましょう。

 

乳歯の虫歯予防・虫歯治療で歯並びを正しくする方法

乳歯の段階で虫歯になり、抜歯せざるをえなくなると、抜歯して空いた隙間に左右の歯がずれてくるといった事態を引き起こしかねません。こうなると、のちに永久歯が生えてくるためのスペースがなくなってしまいます。その結果、永久歯がずれてしまったり、変な方向に生えてしまったりするのです。

また、乳歯が虫歯になることで、その根っこの部分から次に生えてくる永久歯に影響を及ぼす可能性があります。

虫歯による歯並び・噛み合わせの悪化、永久歯の虫歯罹患といったリスクを防ぐために、乳歯の虫歯治療は非常に重要です。

乳歯のころから歯磨きをしっかり行うこと

乳歯は、そのうち抜けるのだから放っておいでも大丈夫と考えられがちです。しかし、乳歯なら虫歯になっていいという考え方は非常に危険です。上でも述べたように、乳歯の虫歯が歯並びの悪化や永久歯の虫歯につながりかねないからです。

乳歯の段階から虫歯をしっかり予防するために重要なのが、大人による仕上げ磨きです。前歯や奥歯の歯と歯の間や、歯茎との境目、奥歯の噛み合わせ面にある溝などは虫歯になりやすい部位ですので、仕上げ磨きをしっかりして、磨き残しがないように注意しましょう。虫歯菌が繁殖しやすい夜間への対策として、夜寝る前に仕上げ磨きしてあげることが大切です。

【まとめ】

お子さんの歯並びが悪くなる原因は、遺伝だけではなく、幼いころからの癖や習慣にもあることがご理解いただけたでしょうか。

指しゃぶりや頬づえ、噛み癖などをとりのぞき、虫歯を予防することで、お子さんの歯並びが美しくなる可能性が高まります。

このためには、お子さんはもちろんのこと、ご家族が協力し合って取り組む必要があります。また、お子さんの歯並びに不安がある場合は、できるだけ早く信頼のおける歯科医師に相談するのが大事です。お子さんの矯正治療では、骨格の成長に合わせて早い時期から治療を開始することで、無理なく治療を進められるからです。

ここでは、お子さんの歯並びのために親御さんができることをわかりやすく解説しました。お子さんの健康や心からの笑顔のため、親御さんにできることを少しずつ行っていってください。

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